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2009-04-30

【映画】スラムドッグ$ミリオネア

映画の感想をひとつ。
アカデミー賞8冠の話題作『スラムドッグ$ミリオネア』を観てまいりました~。

結論(極私的な)から申し上げますと、


「ちょっと期待しすぎだったかも…」


です。
イヤ、決してつまらなかった訳ではないのですが。

クイズの回答と主人公の人生がリンクしていく、という設定は面白かったし、
現在と過去が繰り返されるうちに、少しずつ彼の人生が見えてくるという構成も見事。
ただスラム街が舞台なだけに、インド社会の暗部が垣間見えるのが結構ツライ。
これが現実、といわれても、やっぱり子供が傷つけられるのも子供が他人を傷つけるのも
見たくないです。はぁ。

そんな環境にいながら、優しく真っ直ぐに成長した主人公ジャマール。
初恋の人・ラティカを想い続け、最後には彼女と結ばれるというのは、ある意味ファンタジーですね。
インドの人々が「クイズ・ミリオネア」を見て、新しい人生を夢見るような。
こうありたい、こうであってほしいという、願望。
こういうハッピー・エンディングは決して嫌いではないのですが、
いかんせんスラム時代のエピソードが強烈過ぎまして…。
ジャマールのピュアネスはとても美しいのですが、反面、とても幼く現実離れして見えてしまうのですよ。
登場人物の一人に、ジャマールとは正反対の兄・サリームがいますが、
ジャマールが“夢”ならば、サリームこそが“現実”なんだろうなぁ、などと余計な事を考えて
また哀しくなってみたり。

それから、エンディングロールのダンスシーンはいらないと思います!これ必要!?
これは“インド映画”ではなく、あくまで“インドを舞台にしたイギリス映画”なんですから。
インド映画に対してリスペクトの意を表したのでしょうか…??
謎です。
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2009-04-25

グラスホッパー 伊坂幸太郎

交錯する人生と、生と死と。

二人の殺し屋と一人の男。面識のない3人が、それぞれの思惑を胸に1人の殺し屋を追う。
奇妙な、しかし際立ったキャラクター造形、緻密な構成とウィットに富んだセリフはいかにも伊坂作品。

裏の世界を描いた小説だけに、悪人キャラがわんさと登場します。
唯一まっとうに見える鈴木も、復讐のためとはいえ、明らかに薬物の入った商品を売っていたわけですし。
歪み壊れ、人間性が欠落した登場人物たちは、皆どこか昆虫じみています。
「押し屋」槿は言う。
密集したところで育つことによって凶暴化するバッタの「群生相」。それは人間も同じことだと。

「どんな動物でも密集して暮らしていけば、種類が変わっていく。黒くなり、あわただしくなり、凶暴になる」
「群生相は大移動をして、あちこちのものを食い散らかす。仲間の死骸だって食う。
同じトノサマバッタでも緑のやつとは大違いだ。人間もそうだ」

彼らは都会の人混みが生んだ異形なのかもしれません。そして既に異形ではなくなっているのかも。
と、通勤ラッシュの電車に揺られながら妙に納得したMなのでした。

ラストは救いがあるっちゃあるけど、基本的にはヘビーな作品です。
人死にすぎ。しかも、それが冷徹に、何の感情移入もなく描写されている。
あとがきではそれを「人体の破壊」と表現しているけれど、まさにそんな感じです。
鈴木と健太郎・孝次郎兄弟とのやりとりにはホッとさせられましたが。


グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫)
(2007/06)
伊坂 幸太郎

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2009-04-12

3月読了本

むかしのはなし (幻冬舎文庫)』三浦しをん
昔話をモチーフに、ゆるやかに交錯する7つの人生を描いた連作短編集。
デビュー作『格闘するものに○』の解説で、重松清氏は三浦しをんを“孤独を描く作家”であると
評していましたが、この作品に描かれているものもまた「孤独」であるように思いました。
あとがき抜粋。
「ひとは変化する世界を言葉によって把握するものであること。
どんな状況においても、言葉を媒介にだれかとつながっていたいと願うものであること。
語られることによって生きのびてきた物語には、人々にそう伝えているように思う。」

チルドレン (講談社文庫)』伊坂幸太郎
破天荒な男、陣内の周辺で起きる小さな事件を描いた連作短編集です。爽快な読後感のコージーミステリ。
途中で何となーく展開が読めたりしますが、人が死なないので安心して楽しく読めます。
先日読了した『グラスホッパー』とは、だいぶ趣が異なりますな。

その他
『ララピポ』
『蒼穹の昴(上・下)』


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2009-04-05

イニシエーション・ラブ 乾くるみ

ラスト2行目の“仕掛け”に、(ある意味)瞠目!

※途中ネタばれあり(白文字にしてあります)。未読の方はご注意ください。
この作品、雑誌などで紹介されているのを、よく目にしていました。
「ラスト2行目で、普通のラブストーリーが全く違った物語に変貌する」とか、
「(ラスト2行目は)絶対に先に読まないで!」とか、
「必ず二回読みたくなる」とか、魅力的な惹句が並んでいたわけですよ。
エンタメ好きなMにとって、その手のどんでん返しは大好物。
わくわくしながら本書を手にとってみたのですが・・・。


・・・つまらん!(大滝秀治風に)


そもそもMは、恋愛小説をほとんど読まないんですよ。
それなのに、魅力的でもない主人公の、中途半端に古臭い、何の変哲もないラブストーリーを
読まされるのは苦痛以外の何ものでもないのです。
特に後半の主人公は性格歪んでるし、本当に不愉快なだけでした。

いやいやそれでも、ラスト2行目にはさぞかし鮮やかなどんでん返しが待っているのだろうと、
無理やり読み進めていったのですが・・・。


えっ?         一瞬ポカーン。

ええええええ?     続いて驚愕。

・・・・・!          そして怒り。


作者の意図は分かりました。
読んでる間に感じ続けていた違和感(特に主人公に対する)も解消されました。
だけど「それが何!?」って感じです。

本当にラスト2行目ありきの小説なんですよね。
全ては、このラストのための「前フリ」です。
しかし、どうせならもっと作り込んで欲しかった。前フリから、ぐいぐい読ませてくださいよ。

※以下ネタばれします。反転してご覧ください。
だいたい、夕樹(ユウキ)君を「たっくん」何て呼ぶ奴がいるかー!強引過ぎますがな。
しかも何で元カレと同じ呼び方!?
もちろん呼び間違えないためでしょうが、付き合い始めからそんな小細工する!?
(Mは最初、彼女が二股をかけていて、もう一人のカレが「たっくん」なのだと思っていました。
当たらずといえども遠からず。)


文庫本の末尾には「再読のお供に」と題された解説が載っていますが、Mは再読しません!(キッパリ)
また、その解説に「本書の単行本が出たとき、自分の恋愛を思い出して胸がキュンとした人がいる」と
ありますが、Mはしませんでした!(キッパリ)
正直、恋愛小説としてもデキがいいとはいえないと思います。
恋愛小説をほとんど読まないMが言うのもナンですが。

久しぶりに、お金と時間を返してほしい本に出会いました・・・。


イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ (文春文庫)
(2007/04)
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本読み人M

Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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