--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009-06-30

6月読了本

死神の精度』 伊坂幸太郎
再読です。
死の間際に繰り広げられる人間ドラマ。感動的にしようと思えばいくらでもできそうな気がしますが、
そうしないのが伊坂流?人間になど一切関心のない“死神”を主人公に据えることで、
死をテーマにしていながら、エンターテインメントとして楽しめる軽やかな物語になっています。

のぼうの城』 和田竜
現代的。内容もキャラクター設定も。時代小説をあまり読まない人でも読みやすいと思います。
が、時代小説好きの方にはやや物足りないかも・・・。
主人公である長親は、周りが放っておけない劉邦タイプなんですが、なぜ農民にまで深く愛されたのかが
イマイチ伝わらず、腑に落ちなかったです。うーむ。

その他
『ねじの回転(上・下)』 恩田陸
『告白』 湊かなえ
『ネバーランド』 恩田陸
『常野物語』 恩田陸


↓ブログランキングに参加しています。皆様の温かな1ポチを!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

↓もひとつおまけに。
スポンサーサイト

theme : ブックレビュー
genre : 本・雑誌

2009-06-26

劒岳 点の記 新田次郎

峻峰に刻まれた、男たちの誇りと足跡。 

陸地測量部の測量官である柴崎氏を中心としたグループが、
“登ることのできない山”、“登ってはいけない山”とされていた剣岳の登頂に成功するまでを描いた作品です。
並外れた体力と精神力を必要とする、自然相手の過酷な仕事。
雪崩に巻き込まれたり、吹雪の中で一夜を過ごしたりと本当に命がけです。
この苛烈な環境の中で、大勢の人夫を使い、上からはプレッシャーをかけられながら
黙々と職務をまっとうしようとする柴崎氏の心の強さに感服しました。
32歳という若さ。山岳会に対するライバル心もあれば、初登頂は自分が成し遂げたいという野心もある。
しかし同時に、上層部の命令を丸呑みにしない冷静さ、安易な返答をしない慎重さを持っているところが
素晴らしい。自分の心にハミを噛ませ、しっかり手綱を握っているという感じがします。
山中においてもそれは変わらず、果敢に攻めることもあれば、撤退の判断も迷いなく下す。
うーん、イイ男ですなぁ。作品中の柴崎氏は人当たりの柔らかな印象ですが、
あとがきを読むと、自分にも周りにも厳しい、かなり頑固な方だったようですね。

しかし、素晴らしいのは彼だけではないのです。
世の中、一人で完結する仕事というのはあまりありません。
測定という仕事も観測夫や案内人、大勢の人夫たちの協力のもとに成し遂げられるわけですね。
上り口を探して険しい山道をよじ登るのも仕事だし、山に登ったメンバーのために食事を用意するのも仕事。
1つのプロジェクトを達成するために、各自がそれぞれの仕事を万全に成し、互いにそれを信じている。
メンバー一人一人の、仕事に対する誇りと誠実な姿勢に胸を打たれます。
中でも印象に残ったのは宇治長次郎氏。案内人としての能力はズバ抜けて高く、何より人柄が素晴らしい。
仕事とはいえ、ここまで献身的に尽くせるものでしょうか。
役人であり雇い主でもあった柴崎氏が、絶対的に上の立場にあるにもかかわらず、メンバーに対して
終始丁寧な姿勢を崩さなかったのは、やはり彼らの真摯な仕事ぶりに対する敬意からなのでしょう。

それにしても、これほどの思いをして剣岳の登頂に成功した彼らに対する、測量部上層部の態度ときたら!
自分たちの面子のために命を捨てろというにも等しい命令を下しておきながら、
初登頂ではなかったという理由だけで興味を失い、労いの言葉もない。役人って奴ぁ・・・!
かたやライバルだったはずの山岳会は、柴崎氏一行に一本の電報を送ります。

「あなたがたの輝かしい成功に心から、尊敬と感謝の言葉を送ります」

面子や勝ち負けなど関係ない、素直な尊敬と温かな友愛に満ちた文面に胸が熱くなりました。
山男、爽やか過ぎる…!


劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))
(2006/01)
新田 次郎

商品詳細を見る


↓ブログランキングに参加しています。皆様の温かな1ポチを!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

↓もひとつおまけに。

theme : ブックレビュー
genre : 本・雑誌

2009-06-14

命短し歩けよ乙女 森見登美彦

「偶然の」出逢いは実を結ぶのか?

ふわふわと好奇心の赴くままに京都の町を行く“黒髪の乙女”と、
彼女を追って京都の町を彷徨うトホホな大学生“私”を描いたキュートな恋愛小説。

単行本を既に読んでいたにもかかわらず、文庫を購入して再読してしまいました。
偽電気ブラン、閨房調査団、韋駄天コタツ、パンツ総番長…鮮やかな妄想を、人を食ったような
古風な文章で綴っていく、まさに森美節。
詭弁論部や天狗の樋口氏など、森美ファンにはおなじみのメンバーが登場するのも嬉しい。

マイペースで好奇心旺盛、不埒な輩は「おともだちパンチ」でブッ飛ばす、黒髪の乙女が
とてつもなくチャーミングです。
そして「ナカメ作戦」(なるべく彼女の目にとまる作戦)と称して彼女の周りをうろつき回る主人公も。

「ま、たまたま通りかかったもんだから」

そのヘタレぶりに呆れつつ、だんだん応援したくなってしまうのがフシギです。
やってることは、ただのストーカーなんですけれども。
名前も覚えてもらっていなかった主人公が、ただ彼女と過ごす「明るいキャンパスライフ」のために
鯉に脳天を直撃されたり、古本市で命を賭けた死闘を繰り広げたり、屋上から転落したりしながら、
ついに(お芝居の一幕ではありましたが)彼女を腕に抱いたときは、思わず快哉を叫びましたよ。

少しばかりニブい彼女の気持ちが、少しずつ少しずつ動いていくところも良いですねぇ。
思わずムフフとなってしまいます。
初めて芽生えた恋心を持て余して、鯉のぬいぐるみに「バイオレンスなふるまい」をしてしまうところが
可愛いんだ、また。

とにかく楽しい一冊。
こういうフシギ設定が苦手な方は入り込みにくいかと思いますが(私も初読のときはかなり面食らいました)、ハマればとことんハマります。

また、文庫版に解説として収録されている羽海野チカさんのイラスト(とてつもなくキュートな!)も
購入理由のひとつ。
羽海野さんが挙げた、好きな言葉・シーンは、共感できるものが多いのではないでしょうか。

「恥を知れ!しかるのち死ね!」

とか♪


夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
(2008/12/25)
森見 登美彦

商品詳細を見る


↓ブログランキングに参加しています。皆様の温かな1ポチを!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

↓もひとつおまけに。

theme : ブックレビュー
genre : 本・雑誌

2009-06-06

5月読了本

草祭』恒川光太郎
異世界と隣り合った土地、“美奥”を舞台にした連作短編集。
まるで彼岸と此岸の狭間でたゆたっているような、恒川作品らしい幻想的な作品。
しかし『夜市』や『雷の季節の終わりに』に比べると、幻想的なイメージがやや薄れたような。どちらかというと此岸に近い?
簡潔で美しい文章は相変わらずだし、この世界観は大好きなんですが、イマイチ浸ることができませんでした。残念。
とても好きな作家さんなので、期待値が大き過ぎたってのもあるかもしれません。

その他
『項羽と劉邦(下)』
『いのちのパレード』
『命短し歩けよ乙女』
『トリツカレ男』
『点の記』



↓ブログランキングに参加しています。皆様の温かな1ポチを!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

↓もひとつおまけに。

theme : ブックレビュー
genre : 本・雑誌

プロフィール

本読み人M

Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。