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2010-06-26

私の家では何も起こらない 恩田陸

留まり、重なり、増えていく「思い出」たち。

丘の上に建つ、いわくありげな一軒の家。幽霊屋敷と噂される、この家に潜む記憶とは…。
幽霊とは、つまりは「場所の記憶」。そしてそれは、時とともにどんどん積み重なっていくものである、と。
ホラーといっても「怖い!」という感じではなく、部屋の温度がスッと1℃くらい下がる感じです(怖いだろう)。
まるで翻訳物を読んでいるような文体は、淡々としてあくまでエレガント。
カニバリズムという、ホラーの定番(?)かつグロテスクなテーマも、スプラッタになることなく品良くまとめています。
(『私は風の音に耳を澄ます』)
家を修理に来た大工さんに、直して欲しいところを教える幽霊ズも何かカワイイ。(『私の家にようこそ』)

「生きてる人間は悪さするが、死んでる奴はしない。死んでる人間なんざ、可愛いもんさ。」

古今東西、「怖いのは生きてる人間の方」ですからなぁ。

しかし、『我々は失敗しつつある』の意味がよく分かりませんでした…私の読解力不足、故に。
彼はもう死んでるってことなの?
「幽霊=思い出」ということは、記憶が戻らなくて幽霊になれないってことなのでしょうか?むむぅ。

あと、色々なところでも言われているようですが、最後の章はなくても良かったような気がしますねぇ。

私の家では何も起こらない (幽BOOKS)私の家では何も起こらない (幽BOOKS)
(2010/01/06)
恩田 陸

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2010-06-12

5月読了本(2)

田村はまだか』 朝倉かすみ
深夜のバー。40歳になる男女5人が、小学校のクラス会に間に合わなかった「田村」を待っている。
それぞれの思いに耽りながら―。
amazonの作品紹介には「ラストには怒濤の感動が待ち受ける傑作の誕生」とあるんですが…全然ピンと来ませんでした。
どこだったんだろう、感動ポイント??
小学生時代の田村の、いきなりの告白もよく分からないし、終盤、登場人物の一人が皆に言う台詞も興ざめ。
「田村のことを思うとき、おれたちの心は混じりけのないものになる。ちがうか?
おれたちが、田村と口にするたびに、なけなしの混じりけのなさのありったけが、滲み出てくる、そうだろ?」
期待値を上げ過ぎましたかね~。

架空の球を追う』 森絵都
草野球のグラウンドで、銀座の店で、ある街角で。人生の何気ないワンシーンをスケッチしたような短編集。
ごくごく短いものばかりなので、するする読めます。
全体的にユーモラスな作品が多い中、誇り高い「難民キャンプの女優」を描いた「太陽のうた」が、異色な作風で印象的。
厳しい現実の中でも誇りを失わない、毅然とした姿が美しいです。
しかし、心に残ったのはこの作品ぐらいしかありませんでした…。

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』 道尾秀介
ある日突然、二人の詐欺の元に1人の少女が転がり込んできた。
それぞれが背負った過去と訣別するため、彼らが企てた計画とは。
前半はそれぞれの過去と関係性、置かれている状況などにページが割かれ、“計画”が始まるまでが長いんですが、
ほとんど中だるみは感じませんでした。
対して後半は、ぽんぽんぽん、とオセロの駒がひっくり返っていくようなスピーディな展開。
ただ、それを呆然と見つめているだけのMでありました。やられた!すっかり“カラス”の羽の上で転がされてしまいましたよ。
犯罪が完遂される爽快感というよりは、「これで良かったんだ」という安堵感と少しの寂しさ・空しさがじんわりと広がる
クライム・ノベルです。

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2010-06-09

5月読了本(1)

有頂天家族』 森見登美彦
人間、天狗、狸が織りなす三つ巴の化かし合い。
登場人物(狸物?)はかわゆいし、阿呆すぎる敵役も憎めないし(弁天様はちっと憎らしいですが)、
文章の巧みさと奇想天外な設定、魅力的な擬音の数々(「ふはふは」とか「もふもふ」とか「ぎうぎう」とか)も相変わらず…
なのですが、何故か入り込めなかったです。うぅ…。でも続編が出たら、また読んでしまうんだろうなぁ。

ブラザー・サン シスター・ムーン』 恩田陸
「私たちは、別れるために出会ったのね」
かつて友人だった三人の男女が語る、高校~大学時代の記憶。
思えば人生、“別れるための出会い”でできているのですなぁ。
自分の学生時代を思い返そうとし、その記憶のあまりの心許なさに呆然としました。大切な、一時期は自分の全てだったのに。
それでもあの時代の、“別れるための出会い”が確かに今の自分を作っているのだなぁ、とも思います。
物語自体は淡々と進み、するりと読み終えてしまうのでやや物足りないかも、です。

深川黄表紙掛取り帖 (講談社文庫)』 山本一力
定斎売りの蔵秀と仲間たちが、江戸の厄介事を鮮やかに解決する!
主役の4人はプランナーとデザイナー、コピーライター(兼経理/営業?)に大道具が揃った、ちょいとした制作プロダクション。
ノベルティをつけたり、告知イベントをしたり、キャンギャルを用意したりと、見事なキャンペーン戦略で問題を解決する様が痛快。
さすが広告畑出身の作家さんだけありますな。
どこか現代的な設定ながら、端々に見られる江戸っ子の見栄と意気にも胸がすくような思いがします。
ただ、一人一人のキャラクターがはっきりしないのが残念。

聖なる黒夜』 柴田よしき
春日組の大幹部である韮崎が殺された。容疑者は男妾あがりの企業舎弟・山内練…彼は麻生が十年前に逮捕した男だった。
堕ちた男とした堕とした男と。冤罪の恐ろしさ、練が抱える絶望の深さに愕然とします。
しかし…長い!韮崎殺しに二人の過去、関係者の過去が絡み合い、何がなんだか。
人物相関図を作っておかないと混乱しそうです(私だけ?)。
それから、ホモ人口密度がやたらと高いので、苦手な方はご注意を。
しかし、この作品が『ふたたびの虹』と同じ手から生み出されたものとは。柴田氏の幅の広さには感服いたします。

…続く。

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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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