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2010-07-24

ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン 寄藤文平

上級篇“ラクガキ”のお作法。

人気イラストレーター/アートディレクター・寄藤文平氏が解説する、簡単で楽しい“ラクガキ”の仕方。

昔から、楽器が演奏できる人と機械に強い人と絵がかける人を無条件に尊敬してしまうMでございます。
絵を描く人に限りませんが、いやはや才能ある人というのは、もう我々凡人とは見ている世界が違うんですな。

「イメージが絵になるのではなくて、絵がイメージをつくってくれる」

Mは「頭の中のイメージを、そのまま絵に描けるなんてうらやましい!」と思っていたんですが、
そういうわけではないようで。
イメージを絵にしようとすると、いろいろ足りないところが分かってくる。
それを埋めていくことでイメージがクリアになる、ということらしいです。
なるほど、なるほど。(…とは思いますが、実行はできません)
本やインターネットで下調べをしたり、参考にできそうな場所に実際に行ってみたりと、
寄藤氏は“足りないところ”を埋めるための手間を厭いません。
そして、見る。観察する。
この「見る。観察する。」というレベルが、もう凡人のそれとは違う。
多分、世の中のほとんどの人が見過ごしているであろうものを、寄藤氏は見ていると思うのです。
好きなんでしょうな、この世界のいろいろなモノが。

「想像力は、何かをものすごく好きになることの先にあるものだと思います」

だから寄藤氏の描く絵は、あんなに楽しくて自由でチャーミングなのでしょう。
なんせ彼にかかれば「1本の線からひとつのストーリー」が生まれてしまうのですから。
「苔が好きで、小さくなった自分が苔のジャングルを飛び回るところを想像していた」という少年時代を描いた
イラストが印象的でした。
この人は、この頃の眼と気持ちを、今でも持ち続けているんだなぁと。

描くためのテキストとしては、初心者向けとは言い難いですが、眺めているだけでも楽しめると思います。

ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホンラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン
(2009/12/19)
寄藤文平

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2010-07-17

乱反射 貫井徳郎

殺意なき殺人。

強風で倒れた木の下敷きになった子ども。極度の潔癖症から街路樹診断を怠った業者の男は罰せられたが、
この事件は彼だけが引き起こしたことなのか?

ちょくちょくお邪魔させていただいているおりえさんのブログで拝見して以来、ずっと読みたいと思っていた作品です。
「ホラー小説より 怖い小説だった」とおりえさんが評してらっしゃいますが、本当に怖い。そしてやりきれない。

「法律ではなくモラルでは、罪ある人を糾弾することができない」

「これくらいたいしたことない」「一回だけなら」という小さなルール違反。
「腰が痛いから」「十分な診療ができないんだから仕方ない」という言い訳。
一人一人のささやかな、しかし自分勝手な行いが乱反射して錯綜し、焦点を結んだ結果―幼い命が奪われてしまった。
にもかかわらず、彼らを裁くことができないという現実に苛立ちと憤りと覚えます。

同時に、私も誰かを殺しているのかもしれない、という恐怖が胸をよぎります。
本当に誰もが一度はやってしまっているような、小さなルール違反なのですから。
そして、それは息子の死因を探る父親も同様でした。加害者たちに向けた刃が、翻って父親を刺す。
後悔に苛まれ、慟哭する父親の姿に胸が痛みます。

「ぼくにはどんな可能性があるんだろうって考えると、楽しみでしょうがないよ」

ラスト、父親の耳に聞こえる成長した息子の声が哀しい。
一人の男の子の命が、未来が、可能性が、奪われてしまったのだということを改めて突き付けられて。

いや、それにしても。
「悪人」もそうでしたが、登場人物のキャラの濃ゆいこと、不愉快なこと。
不快な人物…というか、触れられたくない人間の不快な部分を書かせたら貫井氏は天下一品ですな。

追記:「悪人」は吉田修一さんですよねなぜか貫井氏と混同しておりました(恥)。(9/28修正)

乱反射乱反射
(2009/02/20)
貫井 徳郎

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2010-07-10

6月読了本


トーキョー・プリズン』柳広司
元軍人のフェアフィールドは、囚人・貴島悟のすっぽりと抜け落ちている戦争中の記憶を取り戻す任務を命じられる。
時を同じくして、プリズン内で不可解な殺人事件が起きるが…。
アナグラムに密室殺人と、クラシックなミステリの香りがプンプン。貴島とフェアフィールドは、
まるでホームズとワトソン君のよう…なのですが、あまりにも都合が良すぎる展開で、ミステリとしてはイマイチでした。
ミステリを軸に戦争の悲惨さや愚かさ、空しさなどを描きたかったのかな?とも思うのですが、
結局どちらも描き切れずに終わっちゃった感じです。

天切り松 闇がたり 4 昭和侠盗伝 (集英社文庫)』浅田次郎
「物事の善し悪しは、数の多寡で決まるもんじゃあねえ」
戦争への道をひた走る昭和の日本にあっても、人の道を貫こうとする侠盗たちの姿を描いたシリーズ最終巻。
まっとうな生き方ができない、ゆがんだ時代の中で、我らが目細一家もなんだか居心地が悪そう。
『日輪の刺客』が象徴的。愚かな行為に手を染めた相沢は決して悪人ではない。
しかし個人の意志や人格とは別に、時代はどんどん悪い方へと転がって行く。それが何ともやりきれない。
親分や寅兄ィ、栄治兄ィにおこん姉御の老いや弱さも描かれていて、それもまた切ない。
文句なく粋で痛快な話が揃っていた前作までに比べ、読後に寂しさが残る一冊でした。

英雄の書 上』『英雄の書 下』宮部みゆき
大好きだった兄が同級生を殺傷し、行方をくらました。強大な負の力“黄衣の王”に魅入られた兄を探すため、
友理子は“印を戴く者”となり“無名の地”へと旅立った…。
うーん、大好きな宮部作品ではありますが、これは入り込めませんでした。とにかく導入部が長過ぎる。
上巻がほとんど設定説明。その割に終わり方は何とも中途半端で…続編が出るんでしょうかね?
設定自体はものすごく魅力的だったのですが。同じファンタジー作品なら『ドリームバスター』の方がMは好きです。

その他
『私の家では何も起こらない』恩田陸
『アホウドリの糞でできた国 ナウル共和国物語』古田靖
『乱反射』貫井徳郎

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2010-07-03

アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語 古田靖

 “夢の国”を襲う、シビアな現実。 

豊かな鉱物資源のおかげで、税金ゼロ。学校・病院はタダ。
国民は働かず、食事はすべて外食。しかし、そんな生活がいつまでも続くはずもなく…。
時々おじゃまさせていただいているmorinokaori様のブログで拝見した作品です。
恥ずかしながら、ナウル共和国という国があるということも初めて知ったのですが、とても興味深い一冊でした。
この国はタイトルの通り「アホウドリの糞」が堆積してできた島です。
この「糞」、年月を経ると燐鉱石という大層貴重な資源になるんですと。

でも…だからって…国民が一切働くのをやめちゃうってどういうこと!?
「働いてお金をもらうという発想がなかった」って、そんなことあるんでしょうか。
のんきすぎる人々にびっくりしたり、いきあたりばったりな政策に呆れたり。
自給自足ののんびりとした暮らしと、先進国(含む日本)によって支配され、
搾取される暮らししか知らない、という歴史を鑑みれば無理もないことなのかもしれませんが…。

このナウル共和国、結構大変なことになっているのですが、おおらかすぎる人々の様子に加え、
平易な文章と寄藤文平さんのイラスト(JTの広告「大人タバコ養成講座」でおなじみですね)も手伝って、
ほのぼのとした空気感の中に「ちゃんと働かないとロクなことになりまへんで」という教訓を内包した、
絵本のような一冊に仕上がっています。

ナウル共和国が今後、オーストラリアの援助を受けて、どこまで立ち直ることが出来るか。
外務省HPにあるナウル共和国の経済概況を見ると、かなり厳しい状況にあるようですが…。

アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語
(2004/12)
古田 靖

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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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