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2010-08-30

8月読了本(1)

蒼路の旅人 (新潮文庫)』 上橋菜穂子
生気溢れる若者に成長したチャグム。しかし母国・新ヨゴ皇国は、大国による侵略の危機に晒されていた―。
シリーズ第6作。前半はチャグムの若さ故の未熟さが目立ちます。
「あぁ、このままピュアに育って欲しいわ」と思ったり、「清濁合わせ飲むくらいの度量がないと王様業は辛いぜ」と
歯がゆく思ったり。(近所のおばちゃん状態…)
しかし、そこはただのお坊ちゃん育ちとは違う彼。どんどんたくましくなっていきますよ~。
厳しい状況の中でも諦めず投げ出さず最善の道を模索する姿がイイ。
いよいよ物語もクライマックス!続きが気になる~。

乙女なげやり (新潮文庫)』 三浦しをん
愛してやまないマンガやドラマ、そして個性豊かな家族と友人に囲まれる日常を描いたエッセイ集。
噂に聞いていた通り、三浦しをん氏のエッセイは面白いですね!
鋭い観察眼と独特の考察(&妄想)がサクレツしてます。何かいろいろ突き抜けてて、楽しそうだな~。
思わずニヤッとしてしまうので、人目があるところでは要注意。
個人的には「人はみずからに不利益な事態が発生した場合、その原因をなかったことにする
(または自分に都合のいいように改変する)傾向にある」 というところに激しく共感いたしました。

おとな養成所』 槇村さとる
美容、恋愛、健康といった身近なテーマについて、実体験をもとに率直な思いを綴る―。
時々雑誌で見かける槇村さんの、50代とは思えないキラキラ&つやつやぶりに憧れております。
「更年期との向き合い方」など、30半ばの私にはちょっと早い?という所もあるのですが(そうでもない!?)、
将来に備えて、先輩に教えを請うような気持ちで読みました。
生き方は人それぞれ、「女の道は一本道」という時代でもありませんので、全ての女性にフィットするとは思いませんが…。

…続く。

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2010-08-23

リレー短編集 9の扉

扉の向こうに広がる、9つの世界。

前の執筆者が出した「お題」に沿って作品を執筆し、次の「お題」とともに次の執筆者を指名する・・・という
リレー形式で編まれたアンソロジー集。
北村薫さん、法月綸太郎さん、貫井徳郎さん、辻村深月さんなど執筆陣も豪華。
読んだことがない作家さんの作品に触れられるのも、アンソロジー集のうれしいところでございますな。
全体的に読み口は軽く、随所に執筆者の遊び心がちりばめてあって、それがまた楽しい。

『ブラックジョーク』鳥飼否宇(お題:お笑い芸人)
落ち目のお笑い芸人。しかし、ある日亡くなった相方のネタ帳が見つかって・・・。
天国の相方に助けられるファンタジーものかと思いきや。ラストのオチも見事に決まってます。

『バッドテイスト』麻耶雄嵩(お題:スコッチ)
限界を感じ始めている人気芸人。行きつけのバーで、ある男からスランプを脱する「いい方法」を聞くが・・・。
バーで出会ったセールスマンによって破滅に導かれるという・・・何だかちょっと喪黒福造風味な作品です。

『帳尻』貫井徳郎(お題:飛び石)
ひとつの飛び石から、男の人生はどんどん悪い方向へ・・・。最後に不幸と幸福の帳尻はあうのか?
怒涛のように押し寄せる不幸。「猿の手」を思わせる展開で、皮肉すぎるラストには頭を抱えるしかありません。
※持ち主の望みをかなえてくれると同時に、その幸福と釣り合うだけの不幸を与えるといわれる。

『母ちゃん、おれだよ、おれおれ』歌野晶午(お題:一千万円)
妻の娘の保険金、七千万円。これが二人の命の重さなのか?男はしばらく、その札束とともに暮らすことにしたのだが・・・。
『帳尻』の設定をそのまま引き継いだ続編。こんなお遊びもアンソロジーならでは。意外な真犯人も◎です。
この不幸の帳尻はあうのかしら…?

いかにも女性らしい辻村深月さんの『さくら日和』や、うんちくと暗示に満ちた竹本健治さんの『依存のお茶会』も良作でした。
巻末の全作家によるあとがきも必読です。

(全9篇)


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(2009/07/23)
北村 薫法月 綸太郎

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2010-08-14

シェラザード(上・下) 浅田次郎

海底に沈んだ記憶。

昭和20年、台湾沖で、2300人の命と大量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。
ある日、企業舎弟として金融会社を営む軽部の元に、その引き揚げ話が持ち込まれた――。

弥勒丸が沈むまでが描かれた〈過去〉と、関係者の回述などから弥勒丸の謎を追う〈現在〉が交互に語られるという構成。
上巻は謎だらけですが、下巻でその謎が一気に氷解します。
負けと分かっている戦で、さらに無用な犠牲を強いる「日本国」の身勝手さと理不尽さ、愚かしさ。
怒りを覚えると同時に、自分たちの職務――人の命を奪う軍人ではなく、あくまで豪華客船のクルーとしての――に
誇りを持ち、それを全うしようとする海の男たちの姿に胸が熱くなります。
弥勒丸とともに沈むことを決意したクルーたちの姿は凛々しく潔くかつスマートで、
映画『タイタニック』の、沈んでいく船の中で楽団のメンバーが演奏し続けるシーンを思い出してしまいました。

しかし、〈過去〉のストーリーがとても興味深い一方、〈現在〉の場面で急に興ざめ…ということがしばしばありました。
原因は軽部の元恋人であり、弥勒丸の引揚げに加わった律子の存在。
彼女の気持ちがどうにも理解できず、共感できないのです。
何故ここまで弥勒丸に惹かれるのか。何故こんなつまらない男を、いつまでも引きずっているのかw
弥勒丸の物語の聞き手という役割はあるにせよ、彼女を登場させる意味があるのかなぁ。
むしろ彼女の存在(&軽部との関係)が作品(〈現在〉のシーン)を陳腐なものにしてしまっているように思えます。
弥勒丸と彼女を重ね合わせているようですが、それも何だかピントがずれている感じだし。
また、いくらなんでも偶然過ぎでしょ!と突っ込みたくなるような展開が多かった点も残念。

「過ぎたことだから忘れてしまってもいいのですか?
過去があったればこそ現在がある。未来から見れば、この現在も過去であるということを忘れてはならない」

不勉強ゆえ知らなかったのですが、この作品は実際にあった「阿波丸事件」という事件をモチーフに
書かれたものだったのですね…。

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2010-08-07

幻色江戸ごよみ 宮部みゆき

名もなき庶民の春夏秋冬。

日々を懸命に生きる市井の人々の姿を描いた12篇。
好きな作品は何度でも読み返すタイプのMですが、この作品もその中のひとつ。
話の筋はもう頭に入っているんですが、それでも時々手に取ってしまうんですよねぇ。

『鬼子母火』
師走の夜、ある酒問屋で火事が起こった。
出火の元である神棚からは燃え残った注連縄が見つかり、その中には髪の毛が入っていた…。
死してなお残る温かな母親の愛と、ぶっきらぼうな女中頭・おとよの優しさが胸に染みます。

『紅の玉』
奢侈取り締まりの触れが出され、贅沢が禁じられた時代。
苦しい生活を送っていた飾り職人・佐吉の元に、ある日一人の侍が現れて…。
腕を磨いて稼ぎ、病気の妻を元気にしたい、というまっとうな望みさえ叶えられない理不尽な時代。やり切れなさNo.1です。

『器量のぞみ』
醜女と言われ続けてきたお信の元に縁談が舞い込んだ。先方の「器量のぞみ」だというが、
嫁ぎ先にはある秘密が隠されていて…。ちょっとコミカルな作品です。
保身と良心の間で揺れながらも、娘のためにある決断をするお信が清々しい。ハッピーエンディングなのもうれしい。

『まひごのしるべ』
差配の元に連れられてきた迷子。 迷子札に書かれている住所に子供を連れて行くが、そこには誰も住んでいなかった…。
人さらいは許されることではないけれど、失ったものを必死で取り戻そうとするたえの姿に胸が締め付けられます。
彼女はこれからも迷子石の周りをさまよい続けるのかもしれません。

『神無月』
毎年、神無月に一度だけ押し込みを働く男。
その奇妙な盗人の存在に気づいているのは、一人の岡っ引きだけだった…。
名作です。常に人間の哀しさと優しさ、世間の片隅で生きる人のままならない暮らしを描いて来た宮部時代物の、これぞ真髄。悪事に手を染めても運命に抗おうとする男と、道を踏み外してしまう前に引き戻してやりたいと願う男。
(悪者を捕まえるというスタンスではないところに痺れます)
盗人と岡っ引きの視点から交互に描いていくことで、少しずつ真相をあぶり出していくスリリングな構成も素晴らしい。

(他7篇)

幻色江戸ごよみ (新潮文庫)幻色江戸ごよみ (新潮文庫)
(1998/08)
宮部 みゆき

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2010-08-02

7月読了本

おそろし 三島屋変調百物語事始』 宮部みゆき
ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまったおちかは叔父夫婦のもとに身を寄せていた。
おちかを案じた叔父は、人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。
一つ一つの物語は面白いです。不思議で不気味な、まさに百物語。
しかし、それぞれの話に登場した人物が、主人公・おちかを助けて呪われた屋敷と戦う、というラストの設定にチト疑問が。
「忘れ去られていた物語を聞くことで、それらがおちかの一部になった」
…ということらしいのですが、イマイチ腑に落ちない。何だかモヤモヤとしたものが残る終わり方でした。
でも宮部氏の書く時代物は大好きなので、続編(多分出るでしょう)が出たら必ず読みます♪

ひまわり事件』 荻原浩
隣接する有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」。
“交流”を強要された老人と幼稚園児たちは、最初は嫌々、それでも少しずつ心の距離を縮めていく。
しかし、ある日子どもたちをも巻き込む大事件が起こって――。
いかにも荻原氏らしい作品!老人ホームの不正経営や過保護すぎる幼稚園教育など、
作中に描かれる現代社会のゆがみも作者一流のユーモアでくるんであります。
一筋縄ではいかない、ジジババとガキどもの交流にほっこり。

その他
『ラクガキ・マスター』 寄藤文平
『幻色江戸ごよみ』 宮部みゆき
『シェラザード(上・下)』 浅田次郎
『アラビアの夜の種族(1)』 古川日出男

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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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