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2010-09-26

阪急電車 有川浩

“ベタ甘”というより、塩キャラメル。

関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、片道わずか15分の物語。
恋が始まったり終わったり、人生を教えられたり教えたり。まこと車中は人生の縮図のようで…。

初・有川作品です。
“ベタ甘”との噂ばかりが耳に入って、ずっと敬遠していた作家さんなのですが…面白かったです!
ストーリー自体はストレートで、さらりと読めます。
「宝塚南口駅」や「甲東園駅」、「門戸厄神駅(折り返し)」など、憎しみや未練、世間体などで自分を見失ってしまった人が、
見知らぬ乗客にかけられた言葉や耳にした言葉で自分を取り戻す、というエピソードが印象的でした。

「あたしもいろいろ間違ったほうや嫌なほうに行きそうなとき、行きずりの人からいろんな言葉もらってん」

時々、私には甘すぎる場面もあり、電車の中で一人身悶えたりもしましたが(怪)、
乗り合わせた乗客を宥め、時に諌める時江や恋の痛みを乗り越えた翔子やミサの存在が、
まるでキャラメルの中の小さな塩つぶのように、ほどよく作品を引き締めているように感じました。

…とはいえ辛口左党の方には、やはり甘過ぎるやもしれませんのでご注意を。

しかし、人と人との距離がやたらと近い気がするのは、創作だからなのか関西だからなのか。
東京の電車では、こんな物語は生まれそうにないなぁ…。

阪急電車 (幻冬舎文庫)阪急電車 (幻冬舎文庫)
(2010/08/05)
有川 浩

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2010-09-20

佐藤可士和の超整理術 佐藤可士和

オフィスの真ん中で「嘘だろ!」と叫ぶ。

生活の知恵としてだけではない、問題解決のためのテクニックとしての整理術を、
日本屈指のアートディレクター・佐藤可士和が描く。

今さら…という感じではありますが。
出版されたばかりの頃は、予約待ちの人が多くてなかなか図書館で借りられなかったのですよ。
(「買えよ!」というツッコミはナシで)

雑誌やTVなどで見る氏のオフィスは、少々無愛想なくらいスッキリ。
我がオフィスと比べるにつけ、思わず「嘘だろ!」と叫びたくなります。
こんなに物がない(実際はきっちり収納してあるだけなのですが)デザイン会社、見たことありませんよ。
私のデスク周りは比較的片付いているし、物も少ない方なんですが、
この本を読んだ後は猛烈に整理したくなりました。(単純)
何となくとっておいた資料の類いもざくざく処分。あぁ、スッキリ。

しかし、この本に書かれているのは、単なる部屋の片付け方法だけではありません。
著者は、整理術とは「情報を整理する」「優先順位をつける」「新しい/優れた視点を見つける」ことであるとしています。
そして、それはデスクの片付けでも企業のブランディングでも同じであると。
本文中では特に“視点”を見つけることの重要性が繰り返し説かれおり、
氏の手がけたユニクロや今治タオル、国立新美術館の事例も挙げられていて興味深いです。

が。
そのための具体的な方法が一切書かれていないので、ハウツー本的なものを期待していた人はガッカリかも。
発想法を学ぶなら『クリエイティブ・シンキング』の方が実用的でしょう。
一方で、「お部屋や会社のデスク周りをきれいにしたい!」という人にとっても、本書はあまり実用的とはいえず…。
たぶん雑誌のお掃除特集の方が役に立ちます。

「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」
という“視点”は面白かったのですが、結局中途半端なものになっちゃった感は否めません。
でも、とりあえずデスク周りがきれいになって良かった。
あとは自宅だな…。


佐藤可士和の超整理術佐藤可士和の超整理術
(2007/09/15)
佐藤 可士和

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2010-09-11

武士道シックスティーン

異なる価値観を持つ2人の真剣勝負。 

剣道エリートにして宮本武蔵オタクの香織と、日舞から転身した剣道初心者の早苗。
正反対の2人が出会い、反発し合いながらも成長していく姿を描いた青春小説。

竹刀のぶつかる音や道場の床のひんやりとした感触、防具のにおい(←臭い)を、懐かしく思い出しました。
実は、Mにも“武士道シックスティーン”だった時代があるのです。むふ。(1X年前…)

勝ち負けが全ての香織。あまりの没頭ぶりが少々イタイ。
強豪校の体育会系剣道部で、こんなに生意気な子がいたらボッコンボコンにされそうですがねぇ。
早苗や父の教え子であり兄を負かした先輩・岡に対して香織が抱く、「憎しみ」と言ってしまっていいほどの対抗心。
憎しみってすごいエネルギーだけど、動力にはならないですよね。
一時的にはものすごい瞬発力を出せるけど、決して続かない。
むしろ長く持ち続けるほど人を消耗させるものだと思うのです。

早苗は対照的に、勝ち負けは問題ではないという考え方の持ち主。
彼女の考え方はとても好きだけど、やっぱりあるのですよね、勝ち負けって。ましてや競技の世界なら当然のことです。
そんな早苗が父に教えてもらった「負けることに対する不安に打ち勝つ方法」。

「それが好きだって言う気持ちを、自分の中に確かめるんだよ。
その好きだっていう気持ちと、勝負の不安を天秤にかけるんだ。(略)
好きだって気持ちの方が重たかったら…そのときはもう、やるしかないんだよ。
負けたっていい。失敗したっていい。やるしかないんだ。だって、好きなんだから」

香織もまた兄に諭され、2人は剣道に真っすぐ向き合う決心をする。

「結局、情熱とか、その人を突き動かすエネルギーみたいなものって、
好きって気持ちからしか、出てこないものなのかもしれない。」

正反対の2人が、それぞれの個性をきちんと残しながら、影響し合い、変化していくところが良かったです。

読了後、ふと思い立って「エア・早素振り」をやってみましたが、5回で息が上がったので止めました。
1X年の歳月は長かった…。

武士道シックスティーン (文春文庫)武士道シックスティーン (文春文庫)
(2010/02/10)
誉田 哲也

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2010-09-05

8月読了本(2)

片眼の猿 One‐eyed monkeys』 道尾秀介
盗聴専門の私立探偵・三梨。ある企業から請け負った仕事中に、殺人現場を「聞いて」しまった―。
3冊目の道尾作品。そしてやっぱり騙される私。こんなに伏線がちりばめられていたのに!節穴ですか、Mの眼は!!
「語らない」ことによるミスディレクション。「言葉だけなら騙せる」と、ある登場人物が作中で言っていたように、
小説ならではの騙し方ですね。思い込みって怖いわ~。
展開が都合良く感じられる所もあり、本格ミステリとして読もうとするとやや物足りなく感じるかもしれませんが、
ここは素直に騙された感を楽しむのが正解かと。
主人公の暮らすマンション「ローズ・フラット」の住人たちもイイ味出してます。

インディゴの夜 (創元推理文庫)』 加藤実秋
異色のホストクラブ〈club indigo〉。次々に起こる事件を解決するため、個性的なホスト探偵団が渋谷の街を駆け巡る!
さらりと読める、ライトなハードボイルド。ホストらしくないホスト、というキャラ設定は斬新で面白いと思いましたが、
肝心の〈club indigo〉のホストたちはどうにも印象に残らなかったです。オーナーの晶さんと同年代のMが、
若い子たちの「ノリ」に最後までついていけなかったことが原因でありましょう。
どちらかというと憂夜さんとか空也といった「王道系」ホストの方が印象的でした。
「憂夜さん…なぜカンフー?!」と私もツッコミたい。

慟哭 (創元推理文庫)』 貫井徳郎
連続する幼女誘拐事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長・佐伯。
彼に対する、警察内部や世論の批判が高まる中、事態は新しい局面を迎える―。
押し殺された慟哭は、狂気となって噴出する。憎しみに縛られ、結局全てを失ってしまう男が哀れです。
…ああああ、何を言ってもネタばれになりそうで何も言えない!
しかし、ミステリ好きな方なら読んでいる途中で、うっすらと結末が読めてしまうかもしれません。
それでもページを繰る手を止めさせぬ筆力はさすがです。

その他
『アラビアの夜の種族(2)』古川日出男
『武士道シックスティーン』 誉田哲也

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本読み人M

Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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