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2011-05-29

インド夜想曲

眠れぬ夜に見た、インドの夢。

失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公の前に現れる幻想と瞑想に充ちた世界。
インドの深層をなす事物や人物にふれる内面の旅行記とも言うべきこの小説は、読者をインドの夜の帳の中に誘い込む。
(「BOOK」データベースより)

さほど長い作品ではなく、ひとつひとつの章も短いので割と読みやすいです。
amazonでの評価は高く、好きな人にはたまらん世界観かも。
…でも、正直私はそれほどでもなかった…多分読解力の問題だと思いますけど。
(訳者によると「タブッキ作品の中でも、もっとも分かりやすい作品」らしいです…えええええ)

行方不明の友人を探してインドへ…というミステリアスな設定は魅力的。
様々な人との出会いと別れ。そのエピソードが、ただ淡々と語られます。
ある日突然、手紙を“送る側”になった郵便配達夫のエピソードと、
駅前で出会った兄弟に自分のカルマを見てもらうエピソードがM好みでございました。

しかし、人々との会話はときに宗教的だったり哲学的だったりして、まるで禅問答のよう。
(要するによくワカラナイ)
失踪した友人の行方は?彼を探す主人公の目的は?
分からないことは多々あれど、ラストにはっきりと答えが提示されているわけではありません。
ミステリとして読んでいたわけではないので、それに対するガッカリ感はありませんでしたが、
読了しての感想は正直、ふーん…という感じ。

“これは、不眠の本であるだけでなく、旅の本である。
 不眠はこの本を書いた人間に属し、旅行は旅をした人間に属している”

インドの熱く、混沌とした空気の中で読んだら、また違う感想を抱くかもしれませんけれど。

インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
(1993/10)
アントニオ タブッキ

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2011-05-21

それから 夏目漱石

退屈すぎる、「それまで」。

私は純文学を解さない、無教養な人間なのですが、それでも3年にいっぺんくらいの割合で
「やっぱり文豪の名作というやつを一通り読んでおかなくちゃマズイんじゃないか症候群」に陥ります。
で、その都度撃沈します。例によって今回も撃沈。いや、一応読了はしましたけれど…。

主人公である代助の独り語りが、とにかく退屈…。
コイツがまたいけ好かない男で、周りを見下し、頭でっかちで小理屈ばかり捏ねるくせに、何も行動しない。
「俺以外みんな馬鹿」「生活のために仕事をするようになったら負け」って…その思考、完全ダメニートじゃね?
とにかく全編突っ込みどころ満載で、「ただのニートやんけ!」「それを“金の無心”って言うんだよ!」と
心の中で突っ込んでいるだけでヘトヘトになりました。

いや、この時代には実際彼のような「高等遊民」(けっ)はいたのでしょうし、
その存在を現在の価値感でみようとするのが間違っているのかも知れないけど…。
とにかく私にとっては
「理屈ばかりで何も出来ない30ニートがかつての友人の嫁を好きになっちゃって親から勘当される話」
でしかなかったです。そのまんまや!

三島由紀夫の『春の雪』を読んだときも、主人公の自意識の強さに辟易したけれど、
このころのブルジョア階級の男ってみんなこんな感じだったのかしら…。うえぇ。
でもラスト数十ページくらいからは、(屁)理屈を超えた彼のナマの感情が垣間みられ、面白かったです。

…しかしこの記事、学校に提出する読書感想文だったら確実に0点ですね。

それから (新潮文庫)それから (新潮文庫)
(1985/09/15)
夏目 漱石

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2011-05-14

4月読了本(その2)

炎上する君』 西加奈子
恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、
小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。(「BOOK」データベースより)
ちょっと壊れたような文章で描かれる、奇妙な世界。SF?ファンタジー?
ダメな人はダメかもしれません。私も最初は少し面食らいました。でも、通底するテーマはとてもやさしい。
周囲と繋がることのできない、孤独な魂の再生。
それが一番ストレートに描かれていた「落下する風船」が印象的。
「(略)等間隔のまま、傷つかない代わり、誰とも寄りそうことなく、たったひとりで浮き続ける風船には、なりたくない。(略)
恐怖にかられても、人に裏切られて傷ついても、それでもまた、人間を信じて、何度も傷ついて生きる、人間でいたいんだ」
似た者同士で固まり、自分たちの周りに城塞を築いて周囲の人間を近づけなかった二人が、
恋をすることで解放される表題作「炎上する君」も良かったです。

季節の記憶 (中公文庫)』 保坂和志
ぶらりぶらりと歩きながら、語らいながら、静かにうつらうつらと時間が流れていく。
鎌倉・稲村ガ崎を舞台に、父と息子、便利屋の兄と妹の日々…それぞれの時間と移りゆく季節を描く。
(「BOOK」データベースより)
父と子の、何も起こらない毎日を淡々と描いただけの作品なのに、それがなぜか心地良い。
終盤は少々退屈でしたが…。主人公は、やたらと理屈をこね回す、私の嫌いなタイプなんですけどね。
息子・クイちゃんから飛び出す、哲学的な質問が楽しい。

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)』 森絵都
きらめく季節は静かに訪れ、ふいに終わる。シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲のやさしい調べにのせて、
多感な少年と少女の二度と戻らない「あのころ」に語りかける珠玉の短編集。(出版社 / 著者からの内容紹介)
これまた惺さんおすすめの一冊。
止めたくても止められない、ひとつの時代の終わり。さらさらと指の間からこぼれる砂粒を見るようで切ない。
微かな喪失感を残しつつ、読後感はなぜか温かい、ノスタルジックな作品です。
反発や嘘、オトナの事情など、描かれているのがキレイなものばかりじゃないところもいいですね。

『語りかける中学数学』は、やっと中2の範囲が終了…。遅!!
角度や図形の問題で、答えは合ってるけど考え方が違う!ってことが、しばしばあります。
斬新な補助線を引いては、ものすっごい遠回りして回答に辿り着いてます。
模範解答を見ると1分で終わるような問題に、15分くらいかけてる…何だか自分の人生を見るようですわ。ふふ(涙)。

その他
『それから』 夏目漱石

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2011-05-07

4月読了本(その1)

鋏の記憶 (角川ホラー文庫)』 今邑彩
物に触っただけで、それを所有していた人物の秘密を感知できるサイコメトリー(残留物感知能力)を使い、
超能力少女・紫は、未解決事件の手がかりをつかむが…。(「BOOK」データベースより)
主人公がイマイチ存在感に欠ける気がしましたが、プロットはどれもスマートで鮮やか。
おりえさんもおっしゃっていましたが、狂気にも似た親の愛情が哀しい表題作が印象的です。
希望が見えるラストもグー。

卵の緒 (新潮文庫)』 瀬尾まいこ
自分を捨て子だと思っている4年生の育生、妙ちきりんな母親、そのとぼけたボーイフレンド、
不登校の同級生を軸に、「家族」を軽やかなタッチで描く。(「MARC」データベースより)
ごろちゃんおススメの一冊。
親子の絆はお互いの愛情と信頼があってこそ築かれるものであって、それには血のつながりさえも意味はない。
育生に向ける、母・君子の揺るぎない愛情が頼もしい。
反対に、血はつながっているけど、かなり複雑な関係(亡き父親が愛人に生ませた)にある二人が、
不器用にゆっくりと絆を深めていく「 7's blood」(同録)もよかったです。
しかし、瀬尾さんの描く男の子はいいですねぇ。淡々としてマイペースで。
そういえば『図書館の神様 (ちくま文庫)』の垣内くんも同じニオイがしますな。

王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)』 吉本ばなな
小さな山小屋で祖母と暮らしていた雫石。 ふもとでの開発が原因で、山を降りることを余儀なくされた彼女は、
不思議な力をもつ占い師・楓のもとで働くことになるが…。
「なぜか心が疲れているときに無性に読みたくなる作家No.1」の吉本ばなな。
静かでとりとめのないストーリーが心地よい。
「人のいるところには必ず最低のものと同時に最高のものもあるの。
憎むことにエネルギーを無駄使いしてはいけない。最高のものを探し続けなさい。
(略)憎しみは、無差別に雫石の細胞までも傷つけてしまう」
という祖母の言葉が心に響きました。続きが楽しみです。

海鳴り忍法帖 (時代小説文庫)』 山田風太郎
公方・足利義輝の愛妾である昼顔を奪い、さらには正妻の夕子をも狙う松永弾正。
夕子に密かな想いを寄せていた少年・厨子丸は、自ら改造した銃を武器に弾正への復讐を試みる…。
こちらは惺さんに教えていただいた作品。
忍法の奇天烈ぶりは相変わらず。
それに対抗するのが忍術や剣術ではなく、銃や大砲などの近代的な武器というのが新鮮でした。
ただ、どうにも各キャラクターの印象が薄いような…。
設定が少々複雑で、登場人物が多くなってしまったのも一因でしょうか。
しかし厨子丸君は、ラストで急に漢(オトコ)になるねぇ。

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本読み人M

Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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