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2011-06-25

平安妖異伝 平岩弓枝

禍つ気をも浄化する、雅楽の調べ。 

あらゆる楽器に通じ異国の血を引く少年楽士・秦真比呂が、若き日の藤原道長と、平安京を騒がせる物の怪たちに挑む。
怪しの物語十編。(「BOOK」データベースより)

再読です。平安&物の怪、という私にとっては、まさにストライクゾーンど真ん中な作品。
物の怪を制する武器が、楽器であり音楽であるのがまた雅でございますのう。
『陰陽師』に似た雰囲気ですが、もっと華やかな印象を受けます。
無理矢理長らえさせられていた桜の精を成仏させてやる「花と楽人」、
鼓の精が子犬の姿になって現れる「狛麿の鼓」が特にM好みです。
不思議な力を持つ少年・真比呂の、控えめで謎めいたキャラクターも良い。

…ただ、もう一人の主人公である藤原道長がイイ奴過ぎて、違和感を感じます。
「若き日の」という設定だからと言えば、まぁそれまでなんですけど…。
この好青年が後年、「この世は俺様のものー!満月が欠けることもないぜ♪」なんて歌を詠むようになるとは
思いたくない(泣)!

平安妖異伝 (新潮文庫)平安妖異伝 (新潮文庫)
(2002/09)
平岩 弓枝

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2011-06-18

八日目の蝉 角田光代

彼女を動かしたのは「母性」なのか? 

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか--理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。
家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。(出版社/著者からの内容紹介より)

逃亡譚というスリリングな設定ゆえ、ハラハラしながらページを捲っていましたが…何だかちょいちょい引っかかる。
誘拐者である希和子の行いを美化し過ぎているような。
確かに彼女には同情したくなる面も多々あるけれど、かなり自分勝手な人じゃないでスか?
冷たいようだけど、アホな男に執着した結果、自業自得とも言える訳だし。

著者には常々「母性とは何か?」という疑問があったそうで…
子供を産むから生まれるのか、とか。産んでいない女にはないのか、とか。
インタビューなどでも、『八日目の蝉』を通して「母性とは何かを考えたかった」と語ってらっしゃるようなんですが、
これにもやっぱり引っかかる。
この作品に描かれているのは「母性」なのかなぁ?
私には子供がいないのでよく分からないんですが、何だか少し違うような。
希和子が恵理菜/薫に向ける感情も「母性」とか「愛」というよりも「依存」のような気がします。
希和子と対立する存在としての実母・恵津子を、
あまりにも愛情の薄い(母性のない?)人物として描いているのも安易に感じました。

八日目の蝉 (中公文庫)八日目の蝉 (中公文庫)
(2011/01/22)
角田 光代

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2011-06-11

トレードオフ 上質をとるか手軽をとるか ケビン・メイニー

「上質」と「手軽」という名の、2匹のうさぎ。

戦略とは捨てることなり。iphone、スターバックス、COACH、キンドル、フェデックス、新聞、格安航空会社、ATM…
大成功してのち大失敗した商品、大成功しそうでしなかった商品、すべて「トレードオフ」で説明できる。
(「BOOK」データベースより)

珍しくビジネス本なぞ。
商品開発やブランディングにおいては、上質(=愛されるもの)か手軽(=必要とされるもの)かの選択が必要、というお話。
中途半端に手軽だったり上質だったりするものは成功しない。
突き抜けた上質、または手軽を目指すのが成功への道である、と。

考え方はシンプルだと思うのですが、これを実行するのは難しいようです。
経営者というものは、なぜか一度は「どちらも手に入れられるのでは?」という幻想(ミラージュ)を抱いてしまうものらしい。
その幻想に惑わされた企業―スタバやコーチ、ウォルマートなどなど―の失敗例なんかも挙げられていて興味深かったです。お手頃価格のシリーズを発売したことで、一時的に売り上げはアップしたものの、「いつかは手に入れたい」という
憧れブランドから、「ああ、高校生が持ってるやつ?」というトホホブランドに転落してしまったティファニーとか。

そういや私も、昔はよくスタバに行ってましたっけ。(残念ながら、てふぁにーは持ってません)
お給料は今より安かったはずなのに、よくあんな高いコーヒー飲んでたなぁ…。
それは、やっぱり「上質」(この場合は「新しいものを取り入れている」という自己満足も含む)を買っていたのかもしれません。

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるかトレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
(2010/07/06)
ケビン・メイニー(著)、ジム・コリンズ(序文) 他

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2011-06-04

5月読了本

城のなかの人 (角川文庫)』 星新一
世間と隔絶され、美と絢爛のうちに育った秀頼にとって、大坂城の中だけが現実だった。徳川との抗争が激化するにつれ、
秀頼は城の外にある悪徳というものの存在に気づく…。表題作など五篇を収録。(amazon内容紹介より)
星氏による歴史・時代小説とは珍しい!
しかし文章はあくまで現代的なので、既存の時代小説と同じ感覚で読むと、ちょっと違和感があるかもしれません。
「旗印」であることを終え、自ら城に火を放つ秀頼の最期は、清々しいがやっぱり哀しい。
「春風のあげく」 「正雪と弟子」 「すずしい夏」は、そのままショート・ショートになるんじゃないかというくらい
星新一ワールド全開、皮肉の効いた作品でした。

幸福な食卓 (講談社文庫)』 瀬尾まいこ
父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、その悲しい出来事のあとも…。
泣きたくなるのはなぜだろう?優しすぎるストーリー。(「BOOK」データベースより)
事象だけを見ればかなりヘビーなのに、作中に流れる空気はとても穏やか。
それは、各人が自分の心に自分なりに対応しようとし、家族もまたそれを受け入れているからかも。
やりたいようにやっているように見えて、やっぱりお互いを思い合っているし。
末っ子の佐和子も、坂戸君が言うように「気づかないところで色々守られてる」。
ラストはとにかく悲しすぎるけれど、佐和子とその家族なら必ず乗り越えられると思わせてくれます。

みんなのなやみ (よりみちパン!セ (01))』 重松清
胸の奥のモヤモヤしたものを言葉にすることは、難しい。でもーーー。10代の悩みや疑問という「生の声」に、直木賞作家の
重松清さんが、「正解」以上にバリエーション豊かな「こんな考え方」で答えてくれる、心強い相談室。(amazon内容紹介より)
先生がムカツク!いじめを止めたい!頑張ることに意味はある?
正面きって聞かれたらグッと答えに詰まってしまいそうな「みんなの悩み」に対して、
重松氏は誤摩化すことなくフェアに答える。
子供の考えをしっかりと受け止める一方で、大人の考えもきちんと説明し、子供にもフェアであることを求める姿勢がいい。

人生激場 (新潮文庫)』三浦しをん
プレーンな日常を「非日常」に変えてしまうマジカルなツッコミと冴えまくる嗅覚。
週刊新潮も白羽の矢を立てた気鋭作家の身辺雑記集。(「BOOK」データベースより)
読みたい本がない。本を読む気力が湧いてこない…。
そんなときでも間違いなく楽しませてくれる三浦しをんのエッセイは、もはや常備薬といっても過言ではありません!
何だか元気がでなーいという時は、この「マスタード程度の刺激」が心地良いのです。

道長の冒険―平安妖異伝 (新潮文庫)』 平岩弓枝
平安京に異変が起きた。ものみな凍りつき、春が来ない。
頼みの楽士・真比呂は、根の国の主・無明王に連れ去られたままだ。
虎猫の化身・寅麿を従え、名笛・小水龍を携えて若き藤原道長は海を渡る―。(「BOOK」データベースより)
次々と現れる敵、戦いの度に得られるアイテム…まるでロールプレイングゲームのような楽しさに溢れた作品。
忠義者の寅麿もカワユスなぁ。
しかし、あまりにひとつひとつのエピソードがさらりとしすぎていて、長編にもかかわらずちょっと物足りなさが残ります。
相変わらず“いい奴過ぎる”道長に対する違和感もぬぐえない…。
それでも!新作が読みたいと思わせる、数少ないシリーズのひとつであることに変わりはありません。

その他
『西の魔女が死んだ』 梨木香歩
『トレードオフ 上質をとるか手軽をとるか』 ケビン・メイニー
『八日目の蝉』 角田光代
『平安妖異伝』 平岩弓枝
『マリカのソファー/バリ夢日記』 吉本ばなな

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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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