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2011-07-24

天と地の守り人 ロタ王国編/カンバル王国編/ヨゴ皇国編 上橋菜穂子

壮大なスケールの一大叙事詩。 

北の大地に迫りくる侵略の手、一方でナユグにも新たな季節が巡って来て…。
チャグムは祖国と民を救えるのか?シリーズ完結編。

サグとナユグで起こるパラダイムシフト。新たな時代の到来に、各国の民は価値観の変容を迫られます。
支配するものとされるもの、入り乱れる思惑、国同士の駆け引き…いやはや壮大すぎる。
深い満足感とともに残る、少しの寂しさ。あぁ~、もうこれで終わりなのね(ため息)。
それにしても見事な幕引き。風呂敷を広げるだけ広げちゃって、大丈夫かと心配にもなりましたが(大きなお世話)、
きっちりたたみ切りましたねぇ。ブラヴォ!です。

チャグムはいい男になりましたねぇ。おばちゃん、うれしいよ。
真っすぐで潔癖なところは変わらず、成すべきことを成すためには
自分の皇太子としてのプライドも折って頭を下げるという強さも身につけた。
負い切れないほどの苦しみを、自ら負っちゃうところが痛々しいけれど…。
その荷を他人に押し付けようとしないところがいいのよね。
自らの手を血で汚すことも辞さない。他人まかせにして自分だけ聖なる存在ではいられない。
苦しげにバルサにこぼした言葉が心に残りました。

「…父上を殺さねばならないなら」「そのときは、人になど、たのまない」

父である前に常に国主であった帝から、疎まれ続けていたチャグム。
最初から最後まで相容れない二人だったけれど、最後の最後で父なりの治め方を理解し、
(受け入れられないにしても)赦すことができたのでは。
皆を避難させ、ひとり宮殿に残った父帝の最期は見事。
古い時代の終わりと、新たな時代の始まりをはっきりと感じさせるものでした。

バルサは相変わらず格好いい!超人的な強さでチャグムを守り、支えます。
タンダの腕を落とすシーンも印象的。あれが彼女の愛し方なのだなぁ。
その一方で、年齢とともに体の衰えを感じるところも人間臭くて良いです。その気持ち、良く分かるよ(泣)!
ラスト、タンダとトロガイの待つ家に帰ったときのバルサの台詞が、「妻」というより完全に「お父さん」でちょっと笑えましたw

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
(2011/05/28)
上橋 菜穂子

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天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)
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2011-07-11

マリカのソファー/バリ夢日記 吉本ばなな

神々の島で蘇る魂。 

これまた再読。
多重人格の女の子とともにバリを旅する小説「マリカのソファー」と、
吉本氏自身によるバリ旅行記「バリ夢日記」で構成されています。

マリカの過ごした幼少期はあまりに過酷で、でも彼女を取り巻く人格たちは限りなくやさしく、
「ジュンコ先生」のように誠実に彼女と向き合おうとする人もいて、
先日読んだ『王国(1)アンドロメダ・ハイツ』の
「人のいるところには必ず最低のものと同時に最高のものもあるの」という台詞を思い出しました。
善と悪、どちらも存在することを受け止める---それはバリの宗教観ともリンクしていて、不思議な包容力を感じさせます。

「バリ夢日記」の方は、文句なく楽しいです!
バリ行きたい!アマンダリ泊まりたい!!
おっぱいが大きくなるジャムウ(漢方みたいなもの)も欲しいw
善なる神と禍つ神が至るところに住まう彼の国の宗教観は、日本古来のそれに近く、受け入れやすいのですよね。
かなり観光地化されているとはいえ、やっぱり一度は行ってみたいものです。

そういえば私、大学で履修した第二外国語がインドネシア語だったのですよ。ふふ。
自分の名前とあいさつのほかは、「saya mau minum kopi(コーヒーがのみたいデス)」と
「saya berajar bahasa indonesia di universitas(私は大学でインドネシア語を勉強していマス)」しか言えないけど。
(綴りが怪しいのはご容赦ください)

マリカのソファー/バリ夢日記 (幻冬舎文庫―世界の旅)マリカのソファー/バリ夢日記 (幻冬舎文庫―世界の旅)
(1997/04)
吉本 ばなな

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2011-07-05

6月読了本

月読 (文春文庫)』 太田忠司
死者の最期の言葉を聴きとることができる「月読」・朔夜一心は、ある日、刑事・河井に出会う。
彼は連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓っていた…。(「BOOK」データベースより)
死者の最後の想いが形となって現れ、それを読み取る異能者が存在する世界、という設定に惹かれました。
ばりばりなファンタジーを想像していたんですが…結構ミステリなのね。
肝心の「月読」たる朔夜は存在感がないし、謎解きの方も何だかイマイチで、肩すかしをくらった感じです。

忍者群像 (文春文庫)』 池波正太郎
戦国から江戸へ、世情とともに移り変わる忍者たちの葛藤と悲哀を、乾いた筆致で描き出す七つの短編。
(「BOOK」データベースより)
忍者たちの冷徹で無慈悲な面だけでなく、悩みや葛藤など人間臭い面も描かれています。
土壇場で味方を裏切り、かつての恩人を救おうとする『首』、スパイとして潜入したはずが、
かなりおマヌケな、しかし自分を心から信頼してくれる藩主を裏切れなくなってしまう『戦陣眼鏡』が良かったです。

夏 プリズンホテル(1) (プリズンホテル) (集英社文庫)
秋 プリズンホテル(2) (プリズンホテル) (集英社文庫)』 浅田次郎
作家・木戸孝之介の叔父で、ヤクザの大親分でもあるの仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになった。
そのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。(BOOK」データベースより)
巻頭にある館内地図の
「情報収集には万全の配慮を致しておりますが、不慮のガサイレ、突然のカチコミの際には、
冷静に当館係員の指示に従って下さい。」という注意書きが、すでにツボでした。
今日び、こんな義侠心を持ったヤクザ屋さんはいないと思いつつ、笑ってしまうドタバタ俠客モノ。
…なのですが、登場人物の一人である木戸がクソすぎる。(口が悪くてすみません)
「偏屈」というレベルじゃなくて、ただのDV野郎です。こいつだけは笑えないし、同情もできない。
『秋』で、彼の暴力が“愛情の裏返し”であるような描き方をしているのがまた納得いきません。
それってDV男の典型的な言い訳じゃないですか?
木戸を登場させる意味ってあったのかな?彼さえいなければもっと素直に楽しめるエンタメ作品になったと思います。

その他
『天と地の守り人 ロタ王国編/カンバル王国編/ヨゴ皇国編』 上橋菜穂子
『王国(2)痛み、失われたものの影、そして魔法』 吉本ばなな
『ファストアイデア』 秋山具義


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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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