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2011-10-27

9月読了本

日輪の遺産 (講談社文庫)』 浅田次郎
帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価二百兆円の財宝。
老人が遺した手帳に隠された驚くべき事実が今、明らかにされようとしている。(「BOOK」データベースより)
うーん…どうにもピンとこなかったです。
“過去”と“現代”の話が交互に語られる『シェラザード』のような構成なんですが、
“現代”の部分がどうにも蛇足としか思えない。
さらに(白文字にしてます。ネタばれ注意→)少女たちが集団自決した時点で、
すっかり読む気がなくなってしまいました。読んだけど。
無理があるというか…ただもう「泣かすためのエピソード」に思えてしまいました。
ラストもチト強引。確かに痛ましい光景ではあるけど、だからといって250億ドルという大金を手放しますかねぇ。

用心棒日月抄 (新潮文庫)』 藤沢周平
君主毒殺の密談を耳にしたことから、脱藩を余儀なくされた青江又八郎。
藩からの刺客をかわしながら、江戸で暮らしていたが…。
又八郎の脱藩に用心棒稼業、さらには赤穂浪士たちのエピソードまでが絡み合う構成は見事。
緊迫感溢れる斬り合いのシーンはもちろん、口入屋のタヌキな親父・吉蔵と、子だくさんの用心棒仲間・細谷との
とぼけた掛け合いも楽しめるエンターテインメント作品です。
本作がとても良かったので、かなり期待値を上げてシリーズ第二作『孤剣ー用心棒日月抄』を読んだのですが…
何だかこちらはイマイチ。途中で断念してしまいました。むむぅ。

花のれん (新潮文庫)』 山崎豊子
夫婦で始めた寄席経営が軌道に乗りだした矢先、夫が借財を残したまま妾宅で死亡。
残された多加は死にもの狂いで仕事に打ち込むが…。吉本興業の創業者・吉本せいをモデルにした女の一代記。
先月読んだ『花埋み』に続く「女の生き様シリーズ その2」。
夫の吉三郎は「仕事キラーイ、遊んでたーい」という正統派ダメ男。
物語前半は、そんな夫に耐え続ける多加が歯がゆい!
しかし、彼が亡くなってから経営者としての才能を開花させ、どんどん事業を拡大していく様子は痛快で目が離せません。
仕事と引き換えにしたものも多いけれど、自分の能力を思うさま発揮し、最期は芸人達に看取られて亡くなる…
何とも天晴な生き様だと思います。
そしてこの作品、一番の魅力は何と言っても軽やかな大阪弁のリズム。
テンポよく読めて、値切り合戦もえげつなくならないのが凄いw

北斎の娘』 塩川治子
葛飾北斎を支えた実の娘お栄、画号を応為。婚家を追われ、父を手伝い支えつつ、
女の性にくるおしく惑いながら、画家としての自立を模索する。(「MARC」データベースより)
「女の生き様シリーズその3」w
絵師という仕事柄か、前2作の主人公たちよりも自由に生きている感じがします。
偉大な絵師を父に持ち、父の片腕としての自分と絵師としての自分との間で、もがき苦しむ人生…かと思いきや、
本作に描かれている彼女は意外と冷静。
絵師として父を尊敬しながら、どこか冷たい観察者の目で、その弱みを看破しています。
結局、似たもの同士なんですねぇ。「何かに憑かれた者」同士。
それは時に凡人を怯えさせるほどの激しさを秘めています。
そして平凡な女の幸せを捨てながら、捨て切れない女としての揺れや嫉妬、空しさ。
でも、それすらも絵に昇華しながら生きていく…凡人にはとても真似できない苛烈な生き様ですが、だからこそ憧れます。

その他
『昆虫探偵 シロコパk氏の華麗なる推理』 鳥飼否宇
『図書館の海』 恩田陸 ※再読
『ほぼ日手帳公式ガイドブック2012』 ほぼ日刊イトイ新聞


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2011-10-14

『昆虫探偵 シロコパk氏の華麗なる推理』 鳥飼否宇

精巧すぎる彼らの生態が、一番の謎。

葉古小吉はある朝目覚めるとゴキブリになっていた。
無類のミステリ好きだった彼は、昆虫界の名探偵、熊ん蜂シロコパκの助手となり、
人の論理が通用しない異世界で巻き起こる複雑怪奇な難事件を解決していく!(「BOOK」データベースより)

イントロである「前口上」の章では、「…ちょっと無理かも」と思いましたが、予想外に楽しく読んでしまいましたw
本格ミステリも昆虫も苦手なのに。
登場昆虫の、奇をてらい過ぎたややこしい名前にチト面食らいますが、慣れてしまえばスイスイ読めます。
仕事で虫に関するトリビアを調べることがあるため(どんな仕事だよ、というツッコミはなしで)、
常々「昆虫ってやつぁ、本当に良く出来てんなぁ」と思っていました。
この作品にも、そんなトリビアが満載で非常に興味深かったです。

そのうえ死体消失に密室殺人と、本格ミステリとしての体裁も見事に整っているのが見事。
しかも、全篇に元ネタというべき作品があり、パロディの形を成しているという凝りよう。
本格ミステリへの愛を感じますなぁ。
私が既読だったのは『絡新婦の理』(本作中のタイトルは「ジョロウグモの拘」)だけでしたが、
何だか他の本家も読みたくなってしまいました。
(昆虫の)世の中には不思議でないことなど何もないのだよ!

あ、各章のアタマに、それはそれは細密な昆虫のイラストが載っているので、ホントに虫ダメ!!な人は要注意です。
ちなみに第一章のイラストは「ヤマトゴキブリ」。思わず付箋で隠しました…onz



「怨恨による殺害などという無意味な行為はニンゲンなどという救いがたい存在に神が与えた罰だろう。」

憎しみから同族を殺したり、それを隠そうと小細工を仕掛けたりするのは人間だけなのですねぇ。



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Author:本読み人M
8割方活字でできています。
ミステリや時代モノといった
エンターテインメント小説が大好物。
摂取した活字の感想を
吐き出して参ります。

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