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2010-02-02
楽園(上・下) 宮部みゆき
罪の上に立つ“楽園”は、幻なのか。
娘が両親に殺害され埋められた16年前の事件と、それを幻視した少年。
「模倣犯」事件から9年。フリーライター・前畑滋子が事件の真相を追う。
殺された娘・茜は近所でも有名な非行少女。
非行、反抗期などという言葉を超えた行いを重ねる娘を、ついには殺めてしまった両親。
子殺しという許されない犯罪に手を染めたにもかかわらず、正直、Mは加害者である両親に同情してしまう。
もし自分が両親の立場だったら、同じことをするかも知れないとさえ思います。
だからこそ登場人物の一人が、滋子に向かって放った言葉が胸に痛い。
「身内の中に、どうにも行状のよろしくないものがいる。(略)そういう者がいるとき、
家族はどうすればよろしいのです?そんな出来損ないなど放っておけ。切り捨ててしまえ。
前畑さんはそうおっしゃるのですか?」
悪と決めつけて、すっぱりと切り捨ててしまうのは楽だ。でも、それでいいのか?と。
無関心過ぎたり過保護過ぎたり、本当にどうしようもない親も世の中にはいますけど、
大多数の親はごく普通の家庭で、当たり前の愛情をもって子供を育てているはずなのに。
なんでこうなっちゃうのかなぁと、かなりウツウツとした気分になりました。
そして結局、被害者の妹・誠子が知りたがっていた事件の“真相”は、母親に語られることで明らかになります。
しかし、そのことは決して彼女を救わない。
彼女はこれからも、自分が暮らしていた“楽園”が、
殺人という罪の上に成り立っていたという重い事実を抱えていくしかない。
両親の罪を「仕方がなかった」と納得したい気持ちと、「姉を切り捨てた」という罪悪感とともに。
「生きているー生き残った人間は、今を生きていかねばならない。
過去を清算するために必要な理屈や説明を、自分で工夫して作り出して」
滋子が白日のもとに晒した“真相”とは一体なんだったのか…。
理不尽さとむなしさを感じます。
重い内容と、慎重に取材を重ねることで真相に迫っていくという設定のため、
正直、上巻を読んでいる時点で「長い!」と感じました…。
それでも、明るく温かな希望が見える(いささか出来過ぎかもしれませんが)
いかにも宮部みゆきらしいラストには、ホッとさせられます。
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↓もひとつおまけに。
娘が両親に殺害され埋められた16年前の事件と、それを幻視した少年。
「模倣犯」事件から9年。フリーライター・前畑滋子が事件の真相を追う。
殺された娘・茜は近所でも有名な非行少女。
非行、反抗期などという言葉を超えた行いを重ねる娘を、ついには殺めてしまった両親。
子殺しという許されない犯罪に手を染めたにもかかわらず、正直、Mは加害者である両親に同情してしまう。
もし自分が両親の立場だったら、同じことをするかも知れないとさえ思います。
だからこそ登場人物の一人が、滋子に向かって放った言葉が胸に痛い。
「身内の中に、どうにも行状のよろしくないものがいる。(略)そういう者がいるとき、
家族はどうすればよろしいのです?そんな出来損ないなど放っておけ。切り捨ててしまえ。
前畑さんはそうおっしゃるのですか?」
悪と決めつけて、すっぱりと切り捨ててしまうのは楽だ。でも、それでいいのか?と。
無関心過ぎたり過保護過ぎたり、本当にどうしようもない親も世の中にはいますけど、
大多数の親はごく普通の家庭で、当たり前の愛情をもって子供を育てているはずなのに。
なんでこうなっちゃうのかなぁと、かなりウツウツとした気分になりました。
そして結局、被害者の妹・誠子が知りたがっていた事件の“真相”は、母親に語られることで明らかになります。
しかし、そのことは決して彼女を救わない。
彼女はこれからも、自分が暮らしていた“楽園”が、
殺人という罪の上に成り立っていたという重い事実を抱えていくしかない。
両親の罪を「仕方がなかった」と納得したい気持ちと、「姉を切り捨てた」という罪悪感とともに。
「生きているー生き残った人間は、今を生きていかねばならない。
過去を清算するために必要な理屈や説明を、自分で工夫して作り出して」
滋子が白日のもとに晒した“真相”とは一体なんだったのか…。
理不尽さとむなしさを感じます。
重い内容と、慎重に取材を重ねることで真相に迫っていくという設定のため、
正直、上巻を読んでいる時点で「長い!」と感じました…。
それでも、明るく温かな希望が見える(いささか出来過ぎかもしれませんが)
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肉親の絆、理不尽な世の中:楽園
楽園〈上〉作者: 宮部 みゆき出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 楽園 下作者: 宮部 みゆき出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 宮部みゆきの長編小説。 ちょっとした歯車の狂いから崩壊する家族と、そこに残された肉親...
コメントの投稿
最近・・・
宮部氏の作品、
読んでないなぁ〜
一時期はかなりハマって
読破し続けたのに、
近頃は、お初作家さんを追いかけてばかり。
もうしばらくは
“おあずけ”になりそうです
読んでないなぁ〜
一時期はかなりハマって
読破し続けたのに、
近頃は、お初作家さんを追いかけてばかり。
もうしばらくは
“おあずけ”になりそうです
おお!!!読みましたわ、この作品。
これは茜ちゃんの人物造形が凄かったですね。
こういう言い方は何ですが私も親御さんの決断は仕方なかったのかなあと思わされました。
親子って難しいですよね、本来は絆で結ばれるべき関係なのにそれがどこかズレてしまうと取り返しのつかない流れと飲み込まれてしまう。お互いその流れから逃れたいと思っているはずなのに。
萩谷さんの人物描写は癒されましたね。こういう人生を丁寧に生きている人にこそ幸せになって貰いたいと思い、あのラストはにんまりでした。
これは茜ちゃんの人物造形が凄かったですね。
こういう言い方は何ですが私も親御さんの決断は仕方なかったのかなあと思わされました。
親子って難しいですよね、本来は絆で結ばれるべき関係なのにそれがどこかズレてしまうと取り返しのつかない流れと飲み込まれてしまう。お互いその流れから逃れたいと思っているはずなのに。
萩谷さんの人物描写は癒されましたね。こういう人生を丁寧に生きている人にこそ幸せになって貰いたいと思い、あのラストはにんまりでした。
>ぽぽ♪さん
私も久々でしたよ、宮部作品は。
昔の作品を読み返したりはするんですけど…。
読書って波がありますよね?
一人の作家さんを追いかける時期と、新規開拓の時期とw
どんどん開拓してブログで教えてください♪
昔の作品を読み返したりはするんですけど…。
読書って波がありますよね?
一人の作家さんを追いかける時期と、新規開拓の時期とw
どんどん開拓してブログで教えてください♪
>おりえさん
>これは茜ちゃんの人物造形が凄かったですね。
茜の叔母が、彼女のことを「万事に言い訳が多い」と評していたのが印象的だったなぁ。
作中で、彼女が道に外れてしまった原因のひとつに“バブルという時代”が挙げられていましたが、それもまた身勝手な言い訳にしか聞こえなかったです。同じくバブル時代に中学生だったMとしては。
>親子って難しいですよね、本来は絆で結ばれるべき関係なのにそれがどこかズレてしまうと取り返しのつかない流れと飲み込まれてしまう。
本当に。おまけに逃げられないですしねー。
他人ならプイと離れてしまえば、それで縁が切れるけど。
内容・量ともに重くてしんどい作品でしたが、ラストはまさに宮部節サクレツ!でしたね♪
茜の叔母が、彼女のことを「万事に言い訳が多い」と評していたのが印象的だったなぁ。
作中で、彼女が道に外れてしまった原因のひとつに“バブルという時代”が挙げられていましたが、それもまた身勝手な言い訳にしか聞こえなかったです。同じくバブル時代に中学生だったMとしては。
>親子って難しいですよね、本来は絆で結ばれるべき関係なのにそれがどこかズレてしまうと取り返しのつかない流れと飲み込まれてしまう。
本当に。おまけに逃げられないですしねー。
他人ならプイと離れてしまえば、それで縁が切れるけど。
内容・量ともに重くてしんどい作品でしたが、ラストはまさに宮部節サクレツ!でしたね♪
こんにちは(^^)
これは重かったですよね〜。あたしの友人が「読んだ後気分が重くなった」と言っていたのですが、そのとおりだったな〜と(笑)
前畑夫妻と敏子に救われたあたしでした(^^)
これは重かったですよね〜。あたしの友人が「読んだ後気分が重くなった」と言っていたのですが、そのとおりだったな〜と(笑)
前畑夫妻と敏子に救われたあたしでした(^^)
>igaigaさん
コメントありがとうございます!
重かったですね〜(^^;)
かなりイヤ〜な気分になりますよね。
あのラスト、最初は「ちょっと出来過ぎ!?」と思いましたけど、
やっぱり必要なシーンだったんだな〜と思います。
重かったですね〜(^^;)
かなりイヤ〜な気分になりますよね。
あのラスト、最初は「ちょっと出来過ぎ!?」と思いましたけど、
やっぱり必要なシーンだったんだな〜と思います。
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